ボウルの中だけで完結するミキシング。ワンボウル捏ねの場合、混ぜる道具とボウルの形状が大切です。
今回混ぜる道具はドレッジです。そのため、口が広くて浅型のボウルを使っています。どのように混ぜるのかは、動画で動きを見てください。
ドレッジを使うミキシングは、動きがダイナミックになります。ボウルのカーブに合わせて、しっかり掻き出しながら大きく混ぜることが出来ます。ひと搔きが幅広いので、全体を混ぜ合わせる時間が短縮されます。動きに合ったボウルは口が広くて浅型の形状です。
これがゴムベラだと変わってきます。ヘラの面積は小さいので、口が広くて浅型タイプのボウルでは細かくかき混ぜることになります。かき混ぜる回数が増えます。全体を混ぜ合わせるまでには回数を増やしてスピードを上げないと時間が掛かります。ヘラを使うときは、口が狭く、深型のボウルが合っています。
道具ひとつで、動きが変わってくるのです。道具はとても大切です。かといって、作業性だけで選ぶことはできません。ミキシングのメインはパン生地なので、パン生地を犠牲にしてまで自分のやりやすさを優先することはできません。その兼ね合いが難しいところです。
ミキシングは実はとても奥が深くて、このちょっとした違いからくる差がパン生地の捏ね上がりの差になってきます。家庭製パンでは仕込み量が少ないので、捏ね上がりの差なんて考えないかもしれませんが、ベーカリーでは大量に仕込むので、この差が顕著です。良いパン生地作りは道具選びから始まっているのです。
道具に絡めたミキシングの話でした。
▼口が広くて浅型のボウル