ソフト系のパンにはお砂糖やはちみつなど、甘さとなる材料を使うものが多いです。
それに対して、ハード系のパンには、基本材料(小麦粉・水・酵母・塩)のみで作るパンが多く、甘みの元となる糖分は添加されません。これを無糖生地と言います。
砂糖などの甘さとなる原料が入らないのに、甘く感じるハードパンがあります。例えばバゲットです。噛みしめるごとに甘さを感じる。そんなバゲットを食べたことはありませんか?この甘さはどこからくるのでしょう?砂糖などの甘さとは違った甘さです。
無糖生地なのにどうして甘いのでしょう?不思議ですよね。
でも、いつも甘いとは限りません。甘いときと、甘くないときがあります。ますます不思議ですよね。
無糖生地の甘さのヒミツはデンプンです。小麦粉のデンプンが分解されて糖になる。その甘さを感じているのです。
パンの味は使う材料の味だけで決まるものではないのです。素材が化学反応により変化することで生まれる味があるのです。
それは作り方で簡単に変わってしまうものです。だからパンの作り方が安定していない人ほど、作るたびに毎回味が違ってしまいます。
作り方とは、すべての工程を指します。ミキシングだけ、焼成だけの問題ではありません。パン生地は刻一刻と変化していくものなので、その過程で味や香りが生まれる、作られていきます。
使っている材料や、配合・配合量ももちろん味を決める一番のものになりますが、それ以外のプラスアルファの要素で味は変化していくものなのです。