パン作りでは、発酵は必要不可欠です。発酵がないと、パンは膨らみません。
発酵ってなんでしょう?
発酵を利用したものはパン以外でもたくさんあります。食べ物だけではありません。エネルギーや土壌改良など、発酵は私達の生活の身近なものにたくさん使われています。
パン作りでは、発酵というと、酵母!イースト!と答える人がいますが、それは固有名詞であり、発酵の説明にはなっていません。酵母=発酵だとかなり話が飛びすぎています。
発酵を説明するのは、実はすごく難しいです。パンを作っている人も、わかっているような・いないような。言葉で説明しろと言われると、ちゃんと説明できる人は少ないです。
そして、イーストをベーキングパウダーと同じ感覚で捉えていると、失敗します。
なぜなら、発酵は酵母の生命活動だからです。代謝システムなので、ベーキングパウダーが水や熱に反応して発生するガスとは仕組みが違うのです。
発酵を理解するには、微生物について学びましょう。酵母がどんなものなのか理解しましょう。そして、パン作りにおけるイーストの働きです。やっとここからパンの世界に入ります。
すると、イーストや酵母、二つの言い方の違いに惑わされることもなくなります。何を指しているのか、使う場面によって変わってくる意味がわかります。そこまで気を配っている書籍では、本の中で酵母とは何を指して呼んでいるのかを、最初の段階で説明しています。
微生物は人間の都合や事情に関係なく、自ら生きるために活動しています。私たちが自然界の微生物の力をパン作りに利用しているので、こちらの都合に合わせてはくれません。生き物を相手にしているので、上手に発酵させないといけないわけです。
微生物と人間の二人三脚がパン作りです。そこがパン作りの面白いところです。発酵とはなにか?発酵を理解することでパン作りが変わります。たまにはこんな話もいいですね。