【動画あり】オーバーナイト製法あるある「復温ゼロ成形」

オーバーナイト製法でたまに見る、復温ゼロで成形するパン作り。冷えた生地のまま成形しているので、パン生地が引き千切れてズタボロになっています。びっくりするのだけど、そこに気が付かないで作業をしていきます。

冷蔵庫から取り出した生地は、一次発酵が終了していますので、ストレート法でしたら次の工程に進みます。しかし、オーバーナイト製法は冷蔵発酵していますので、パン生地は冷蔵庫内と同じ温度まで下がっています。4~8℃程しかありません。

冷たいパン生地を無理やり扱うと、せっかくのグルテンが切れてしまいます。生地は伸びないので、作業はやりにくいです。なぜ先を急ぐのでしょう?時間がないのかな?それとも復温を知らないのかな?なぜだろうと考えています。

冷蔵発酵には復温がセットです。復温が必要な理由はズバリ!発酵とグルテンにあります。グルテンは上記の理由です。発酵は、温度と密接な関係にあります。生地温度が低いと酵母は動きません。工程だけ先に進めても、酵母が動かなければ足並みが揃わないのです。

パン生地と酵母は一蓮托生です。息を合わせていかないと、失速します。

復温が必要な理由はまだまだ挙げられますが、冷たいパン生地を成形すること自体が製パンではナンセンスなので、しっかり生地温度を戻してから、作業を進めましょう。

冷たい生地が扱いやすい、成形しやすいと思っている方は、製パンの理論「構造緩和」を勉強してください。本当に成形しやすい生地は、冷たい生地ではありません。適正温度まで戻った生地です。

そして、発酵を理解していない方。グルテンを理解していない方。つまりパン作りを理解していない事になります。

発酵もグルテンも温度が関係しています。復温することで変化します。そこを無視して成形に進むので、復温した生地と異差がでます。それはパンの味、香り、外相、内相に現れます。

復温はしっかり行いましょう。復温が適正な生地は扱いやすく、作業性がとても良いですよ。