小麦粉にタンパク質があるって知っていますか?
小麦の主成分は炭水化物(デンプン)ですが、その他にタンパク質や脂質、ミネラルなどがあります。
小麦粉中のタンパク質はおよそ6~14%程度で、それほど多くはないのですが、このタンパク質からグルテンが作られます。
このグルテンは小麦だけが持つ性質です。その他の麦にはありません。例えば、ライ麦にはグリアジンはありますが、グルテニンがないため、その粉からは小麦粉のようなグルテンを作ることができません。
小麦タンパクの約80%は「グルテニン」と「グリアジン」です。(両者の割合は小麦の品種などで差があり、グルテニン55~70に対し、グリアジンは45~30)
グルテニン(a)は、弾力に富みますが伸びにくい性質のタンパク質です。
グリアジン(b)は、弾力は弱いですが粘着力が強くて伸びやすい性質です。
この2つの異なる性質を持つタンパク質が水を加えて捏ねることにより、結合が始まります。すると、両方の性質(弾性と粘着性)を併せ持ったグルテン(c)が形成されます。
グルテンは、グルテニン・グリアジン、両方の性質を持ったタンパク質です。

パン作りでは、このグルテンの性質を利用して、個性のあるパンを作りだします。例えば、グルテニンの特徴を強くしたパン生地や、グリアジンの特徴を強くしたパン生地など、形成されるグルテンはミキシングで調整して、特徴のあるパン生地を作りだします。それがパンの個性になります。
グルテニン、グリアジン、グルテン。この3つの用語はパン作りでは必要ですので、覚えておきましょう。