【動画あり】オーバーナイト製法とストレート製法、グルテンの違い

オーバーナイト製法とストレート製法の違いは色々ありますが、例えばバゲットを例にすると、パン生地の状態が大きく違います。パン生地の何が違うのかと言うと、グルテンの物性が違うのです。

グルテンの物性??難しいですね。これはパンを作っている人でないと、パン生地の違いを感じることが出来ませんので、作ったことがない方にはなんのことかさっぱりわからないと思います。

パンを作っている人も、グルテンの物性の何がどう違うのか?説明できる人は少ないです。簡単に言うとパン生地の状態が違っているのです。出来上がるグルテンの性質が違う。

わかりやすいところで、最終発酵が終わった生地を見てみましょう。

オーバーナイト製法では最終発酵が終わった生地は、こんなにぺったんこです。ダラっとして潰れたように扁平で薄っぺらい生地ですが、しっかりオーブンの中で膨らみます。焼き上がりはこのとおり、クープも開き、窯伸びしています。はち切れんばかりです。

写真の生地は窯入れ前と窯出し後です。

同じ粉を使い、同じ配合で作ったストレート製法の生地は、最終発酵が終わった時は、もっと高さがあります。ぺたんこの生地ではなく、プリっと膨らんだ生地です。これがグルテンの物性の違いです。

同じ小麦粉、同じ配合なのに、製法が違うだけで、生地は全く違ったものになるのです。

つまり、バゲットも製法を変えることで、異なるバゲットを作ることができるのです。違った味・香り・食感を作り出せるのです。見た目のビジュアルの違いもあります。

パンはひとつとして同じものがありません。だから製法が違うバゲット同士を比べても意味がないです。それぞれ違ったパンですから、むしろ違っていて当たり前です。同じであるほうが異常です。

パンって面白いですね。