パン作りのイロハを知りたくて飛び込んだパン職人の世界。私は子供を出産してからパン職人を目指した超スロースターターです。10年間パン職人してきたけれど、最後の店では私はずっと一番下でした。
私の周囲には20年30年の大先輩たちばかりだったのです。旗艦店に入ったので強者揃いの中で、私の10年なんて吹けば飛ぶような歴です。私より年下の歴長先輩がゴロゴロいます。本当にいつまで経っても私はペーペーでとても敵わない。そして、私より新人の子は入ってもすぐに辞めてしまう。なかなか残ってくれません。ひよこにもならない卵たち。
私が成長しても先輩はさらに先を進むので、いつまで経っても近づけない、超えられない!その悔しさが私を強くしたと思います。パン職人歴30年40年の大先輩も、休みの日にはパン屋さんを廻って視野を広げていました。常に勉強していました。そして、買ってきたパンを私達に振る舞ってくれるのです。その一口から学ぶことが多かったです。
ベテランの域なのに、常にアンテナを張り、終わりのない勉強をしている姿に職人魂を感じました。そして、皆さん心の底からパンが好きなのです。尊敬しかありません。パンについてあれこれ話す時間が本当に楽しかったです。
そして、学ぶほどわからないことがでてくるのが不思議です。答えのない世界なのだと思いました。パン職人でさえ、何十年掛けてもまだまだ未知な部分があるのです。
パン作りは長く楽しめる世界だから、慌てずにゆっくり進みましょう。うまくできないことにキリキリしないでね。
失敗も含めて楽しんでいきましょう。