私のバゲットは肌色バゲットばかりです。手粉は付けません。そして焼き色は強めです。これは私の好みでもありますが、パン職人時代に仕込まれた影響も大きいです。

ベーカリーのバゲットをみると、肌色バゲットばかりだと思います。手粉を振っている、粉白いバゲットは少ないと思います。肌色のバゲットやバタールが多い。これはコンクールのバゲット見ても同様です。
その理由は、手粉は単なる見た目だけの働きではないからです。装飾としての効果はありますが、手粉を付けることで変わってくる部分があるのです。
例えば、焼き色。火通り。クラストの食感などです。手粉が多ければ火の入りが悪くなります。焼き色がつきにくくなる。
バゲットはスチームを入れて焼くので、手粉が多いほどスチームの水分は粉が吸ってしまいます。粉はかさぶたのように焼き固まり、食感を損なうことに繋がります。
熱の入り方が変わるということは、内部の水分の抜け方も変わるということです。
そして、粉が多ければオーブンが汚れます。売り場が汚れます。
手粉ひとつとっても、色々な意味や役割があり、メリット・デメリットがあるのです。面白いですよね。
パン屋のバゲット売り場を観察してみましょう。どんなフランスパンが売られているのか?参考になりますよ。
家庭製パンでクープ入れの前に無意識に手粉を振りかけている方は、一度だけ手粉を辞めてみてください。肌色のバゲットを焼いてみましょう。今までとの違いを感じられると思います。
手粉をたっぷり振っている方は、ゼロにするのは抵抗があるかもしれません。その時は、極端に少なくしてみましょう。食べたとき、口の中に広がる粉っぽさが軽減されますよ。
これはバゲットだけでなく、リュスティックやクッペなど、フランスパン全般に言えることです。
試してみてね。