「パン作りが簡単はウソ」の続きです。
パン作りは正直にいうと簡単ではありません。入口はすごく広くてハードルが下がっているけど、一歩踏み込むと、途端に上手くいかない。なんなら初回から大失敗してしまう。それがパン作りです。

パン作りは段階的に学ぶ
元パン職人、現パン講師として思うことは、パン作りにはフェーズがあると言うことです。順番に進んでいくことで上達します。
基本的なパン作りの知識と技術を学ぶ
製法を変える、酵母を変える、作るパンの種類を変える
パン作りの基礎がないのに、応用のパンを作っても上手く作れません。それは当たり前ですよね。土台の部分がないのですから。上手くできなくて当然になります。

パン作りの基礎
ゼロからはじめてパン作りをスタートする方は、色々と覚えることがたくさんあります。粉からどうやってパンが完成するのか?理解するまでには長い時間がかかります。一番簡単な丸パンを作ることでさえ大変です。
- 捏ね方がわからない
- どこまで捏ねたら良いのかわらない
- 発酵の見極めがわからない
- どうしてベタベタするのかわからない
- パンが膨らまない
- 硬い
- ふんわりしない
- 焼き色がつかない
- パサパサしている
挙げたらきりがないです。どれもみなさんがスタート時に経験したことだと思います。そこを乗り越えて、現在があります。当時を振り返ると、全然わかっていなかったと思うことでしょう。暗闇の中を手探りで進んでいたパン作りです。何が良いのか悪いのかもわかっていません。
ゼロから何かを始めるとき、すべてのことがお初の連続です。今まで経験したことがない未知の分野を進んでいくので、全てのことを覚えていかないといけません。
このパン作りの基礎を学ぶ期間が一番大変です。
基礎が身につくと楽しくなる
階段を上がる時が一番難しくて苦しいときですが、基礎が身に付いて一段あがってしまうとそこから先は楽になります。色々なパンが作れるようになり、楽しいときが続きます。
この段階でも十分楽しめます。作れるパンも増えて、ここで進むことを辞める方も多いです。
応用に進む方
楽しいパン作りが続くと、そこからまた次の挑戦が始まります。
- 食パンを作ってみたい
- クロワッサンも作りたい
- ハードパンはどんなパンだろう?
- オーバーナイト法で作りたい
- 自家製酵母をやってみたい
すると、あらたに知識や技術が必要になります。身につけるためには勉強して、技術を上げていくことになります。
例えば、自家製酵母を学ぶにしても、自家製酵母はとても時間がかかり、見極めが難しい酵母です。だから、インスタント・ドライ・イーストが世の中に誕生したのです。とても手軽に使えるインスタント・ドライ・イーストで作るパン作りを先に理解している方が、複雑で難しい自家製酵母の発酵を理解しやすいのです。
勉強と同じで、何かを理解するには、その前に必要な知識がでてきます。学ぶにも順番があるのです。必要な前知識がゼロでは、いきなり学んでも理解することができないのです。
そして、現在よりも一段上に登るときが難しくて苦しいときです。出来るようになるまで何度もチャレンジすることになります。でも、登ってしまうと力が付いているので、そこから先は楽になり、楽しいときです。
こうしてパン作りはステップアップしながら、どんどん上達していきます。
例えば、今皆さんが取り組んでいるものが、すごく難しくて、どうしても超えることが出来ない場合は、心が折れて投げ出す前に、一段下げてみましょう。そして、また挑んでみましょう。
きっと超えることが出来ます。くじけずに乗り越えてくださいね。