【パン作りの世界】扁平が「適正」なパン作りもあるのです

ハードパンあるあるです。クープを入れたら生地がペタンコ!横に流れて扁平!そんな経験ありませんか?


失敗?
膨らまない?
ダレたのかな?
過発酵かな?

悪いことばかり考えてしまいます。

でもね、今回のように、ペタンコでもしっかりボリュームのある焼き上がりになるパン作りもあるのです。パンって面白いですよね。

生地物性はいろいろ

私は自分が作りたいパンの完成図を考えて、そこを目指していくパン作りをしています。その中には、扁平を目指すパン生地づくりがあります。

今回はこの扁平が適正なのです。窯入れ前にペタンコでも、それは間違いではありません。その生地物性でいいのです。そこを最初から目指して設計して、作り上げているのです。

だから窯伸びする。しっかり膨らむ。クープが開く。ね、面白いでしょう?

これが、パン作りの考え方、思考の部分です。それは、作り手それぞれ違う考え方を持っています。すると、出来上がるパンも違ってくるのです。

パン作りって、頭脳ゲームのような楽しさがあります。

パン生地の物性は自由に作り出すもの

プリプリ弾力のあるパン生地もあれば、カチカチの伸びの悪い生地もある。逆にトロトロの流れるような生地もあります。パン生地の物性は自由に作り出せるのです。

自分の作りたいパンに合わせたパン生地とはどんな生地だろう?しっかり考え、そこに、知識と技術を注ぎます。

これがパン作りです。

レシピをなぞるパン作りとは、かなり立ち位置が違います。何も考えずにレシピの手順を追いかけて作っているパン作りは、ゴールが見えていません。次の手順だけを見ているので、いつも辿り着く先が違っています。これが毎回違ったパン生地を作っていることに繋がります。

レシピをなぞるパン作りは、パンの世界の最初の入口でしかありません。一歩踏み出したばかりの段階です。

もっと奥に進んでいくと、全く違った世界が待っています。

目指した生地とは違うものができた

ぷりぷり弾力あるパン生地を目指して作っているのに、横に流れる扁平で緩い生地になったら、それは失敗です。当初目指したものとは違う生地が完成しているので、焼きあがりも違っているはずです。

これがパン作りです。

パン作りのステップ

自由にパン生地を作れるようになるにはステップがあります。まずは、パン生地とはどんなものか?パンを作りながら知っていくところからスタートです。

ステップ1

パン生地が何なのか、身体で理解できるようになること。これが大切です。

それには五感を使います。パン生地の微妙な違いを判断できるようにならないと、パン生地の物性が何なのか?理解することができないのです。

ステップ2

知識を身に着けていく。

パン生地の物性は何をしたら変化するのか?この部分は知識が必要です。製パンの理論を学びましょう。

その先に、自由に作り出す世界が待っています。順番に扉を開けて、どんどん奥まで進んでいきましょう。

パン作りの広い世界を旅していきましょう。すごく楽しいですよ。