36時間オーバーナイトさせたバゲットのクラムです。とても素晴らしい内相でした。このエアリーさ！画像からもわかると思います。そして36時間が最高の味を出しています。
長時間オーバーナイトさせるには意味があります。その前に、オーバーナイトは何時間までと決められたものではありません。製法ですので、どう使おうと、作り手の自由です。まず、そこを理解してください。
職場のベーカリーでは36時間発酵なんて、とても効率が悪くてできません。完成まで時間の掛かるパンは、商品として成り立ちません。これは商売ですから、仕方がないことです。
しかし、家庭製パンではどこまでも自由に作ることができます。家庭製パンには縛りがありません。作りたいパンを自由に作ることが出来るのです。色々な縛りや成約がある中で作るパンとはおお違いです。心からパン作りを楽しめます。フリーダム！それが私は何より嬉しいです。
美味しいパンの定義が自分の中でどんどん変わっていきます。それは街のパン屋さんのパンとは全然違う類の美味しさなのです。
これはパン職人になってはじめて、家庭製パンの自由度の高さをありがたいと感じるようになりました。決められたパンしか作ることができない、パン職人の世界は、ある意味窮屈です。自分の作りたいパン、自分が求める味、試してみたい製法、自分らしさが詰まったパンを世に送り出す、そんな自由はありません。自分の店を持たない限り、決められた中でのパン作りになります。独立する気持ちがよくわかります。
私は独立しませんが、家庭製パンでの可能性を広げていくことに楽しさを見出しています。例えば、1週間のオーバーナイトも家庭製パンでしたら可能なのです。
この新しい発見は冒険にも似ています。そして、それは家庭製パンでしか味わえないことです。誰かに与えられた美味しさではなく、冒険して自分で発見していく美味しさです。
なんて素晴らしいパン焼き！それはまさに、めくるめくパンの世界です。
このバゲットも、冒険の先で見つけた味です。とても満足しています。皆さんも冒険しませんか？