今日も朝から実験です。丸7日(168時間)熟成したバゲットを焼き上げました。

この実験では、3日熟成、5日熟成、6日熟成、7日熟成と、同じ生地を使い、熟成に掛ける日数を変えて、バゲットがどう変化するのか?確認してきました。
このバゲットの美味しさのピークはどこか?下り坂はどこか?どの地点から難易度がアップするのか?そのときパン生地では何が起こっているのか?色々なことを確認することができました。それを理論と照らし合わせて、裏付けを取っていく作業です。
超熟成でも崩れない見た目
7日間熟成したバゲットは、見た目はハードな姿を保ち、味は落ちることなく、美味しさを維持しています。これって、実はすごいことなのです。
バリッとハードに焼き上げることは、ストレート法のバゲットだって難しいことです。メリメリ・メキメキ開いたクープ。それを、7日間も長い熟成期間を掛けたパン生地で実現させるのです。バゲットとしての骨格が崩れないのはなぜなのか?そこがこの実験の確認ポイントです。理論と紐づけます。
風味や食感など、初日~7日の期間の中で少しずつ変化していきます。それは、パン生地が変化していることに他なりません。日に日に熟成が増したパンへと変化していく。まるでワインのようです。
難易度が増す危険ゾーンに突入
この長時間バゲットは、ある一定ラインを超えると、難易度が急激にアップします。
少しでもミスるとこのようなワイルドなハードパンにはならず、のっぺりとした膨らみの悪い、クラムの詰まった、味の抜けたバゲットになります。
この危険ゾーンをしっかり見極めることがポイントです。そして、危険ゾーンでは、慎重にことを運びます。ひとつのミスも許されません。
バランスを保ちながら長時間飛行する
バランスを保ちながら、美味しさのピークの滞空時間をいかに長く遠くまで伸ばすことができるか?(鳥人間コンテストを想像してください)そこに知識と技術を注ぐバゲットです。すごく面白かったです。
当然ですが、永遠には続きません。徐々に下降しながら飛行して、やがて墜落します。そこを見極めるのも重要です。墜落する前に切り上げること。美味しく食べられる限界をしっかり見極めること。食べ物ですから、粗末にはできません。材料も時間も無駄にしたくありません。
今回の実験では、今まで経験してきたこと、学んできたことがすべて線で繋がりました。そして、パン屋さんには売っていない、私だけのバゲットが誕生しました。これは私の財産です。
この経験を次に繋げていきます。
